最近、友人からマーマレードの作り方について尋ねられたところなので、写真入りで説明です。
Blood orange "Tarocco"
タロッコの果皮は、実物は写真よりも赤いです。
Tarocco (left) & Moro (right)
半割にするとこんな感じ。今年はタロッコの色づきが少ないです。
マーマレードを作るために、ちょうど1kg分のオレンジを切りました。モロの香りが素晴らしいです。
果汁を絞ってみるとこんな感じ。タロッコの量が少ないので、シェリーグラス1杯分にもならない。
Tarocco (left) & Moro (right)
種はペクチンを抽出するために利用します。
マーマレード作りのための投入物です(この他に砂糖も加わる)。実のヘタ以外の全てを利用します。写真↓ 手前の右側の容器に入っているものが、タネを煮てペクチンを抽出した液です。
果汁は置いておいて、最初にひたひたの水で煮ますが、その前に、水につけながら軽く皮を揉んでおくとスポンジ質の皮が煮えやすくなります。煮ているうちにこの↓ くらいまで水分が飛んだら、背後に写っている果汁とペクチンの溶液を入れます。
果汁等を入れたところです。これをさらにグツグツ煮て、皮を柔らかくします。
果汁の水分がだいぶ飛んだら好みの分量の砂糖を入れて煮詰める(私は果物の正味重量に対して砂糖70%)。木しゃもじで液をすくってみて、しゃもじの裏側に大きな水滴のようにぶら下がるほど煮詰まったら出来上がり。何度もジャム作りをしているうちに、木しゃもじですくったときのもったり感で判断できるようになりますが、不安なときは小さじで少量を小皿にたらして、それが完全に冷えたら指の腹でそっと押すと表面にシワができれば完成のサインです(その間火を止めないと煮詰まるので注意)。
写真の鍋はルクルーゼの内径20cm鍋ですが、今回初めてマーマレードに使いました。果物1kgをジャムやマーマレードに加工するのにぴったりサイズだと分かりました。
熱いうちにジャム瓶に詰めますが、この後もうひとつ作業が残っています。
綺麗な赤いジャムです。
ジャム瓶に詰めたら、最低30分間、鍋の水を沸騰させながら、中の空気を抜いて真空にします。ちゃんと煮沸消毒ができたかどうかは、瓶の中身が冷えたとき、フタの中央が「ペコンッ」という音を立てて凹むので分かります。中を真空にすることで、何年間も味が変わらずに保存できます。
以上、昔、イギリスの料理本で学んだやり方でした。