2016年9月17日土曜日

木頭柚子  Kitou Yuzu

今年の春、地元JAの果樹コーナーに30cmほどの小さな小さな柑橘接ぎ木苗が数種類並んでいました。よほど充実した枝を接いであるのか、そんなチビ苗なのにどの品種も蕾がびっしりついていて異様な光景でした。香酸類では花ユズと「本ユズ」が出ていたのですが、「本ユズ」ラベルが木頭柚子を意味するのか、あるいは多田錦のことなのか不明でした。仕入れてJAに出品している本人は単に右から左へ流しているだけなので、質問してもらち明かず。

そのときは買いませんでしたが、初夏にもなると開花後の幼果の生理落果が進んで、各苗には数個の実が残っているだけで、この苗には7個の実がありました。もしも木頭柚子なら、実付き苗で1,800円は結構、魅力的でした。

ダメ元で買ってきて、それまでの直径10cmほどのビニールポットから10号ロングスリット鉢に植え付け、1cm以上のトゲは見つけるたびに根気よく切り取って管理しました。その後、幼果は2個にまで減りましたが、樹高は現在60cmほどになっています。写真では、Vの字に主幹が分岐している、その分岐点から下が元の樹高で、実の真上3,4cm上から伸ている未だ木質化していないV字部分が夏の間の成長です。

ずーと、この苗の正体をはっきりさせたかったので、ときどき葉っぱをむしってクシャクシャにしては、地植えにしてある多田錦の葉の香りと比較しましたが、ほとんど違いがありませんでした。そこで、まだ9月ですが1個試し取りすることにしました。写真左上の実です。

 まだまだ青くて硬いです。

半割りにしてみると、種だらけ。味も香りも間違いなく木頭柚子です!よかった。私の中での位置づけは、木頭柚子は果皮を魚料理に使うために育てたい品種で、多田錦は種無しジューシーで果肉が多いので、マーマレードやスイーツに利用するのが目的です。